セサミンの効果・効能

セサミンとゴマリグナン(セサミン以外のゴマリグナン)

最近、注目されている 健康成分「セサミン」。通販番組やネットの広告などで盛んに宣伝されているので、名前を聞いたことがある人も多いと思います。

セサミンはゴマに含まれる「ゴマリグナン」という希少な成分の一つです。ゴマリグナンには、セサミン以外にも、「セサモリン」や「セサミノール」などいくつかの種類があり、それぞれに働き方や特徴が異なります。

そのため、それぞれの栄養成分を最適な形で摂取するのが賢い方法といえます。

この記事では、セサミンやセサミン以外のゴマリグナンの特徴について、詳しく解説します。

ゴマに含まれる希少な成分“ゴマリグナン”とは?

私たちにもなじみの深い食品「ゴマ」にはさまざまな栄養や成分が含まれています。その中でも、最近、特に注目されているのが「ゴマリグナン」です。

ゴマリグナンは、ゴマにしか存在しない独自の成分で、一粒のゴマにわずか1%ほどしか含まれないとても希少な成分です。名前の由来は、ゴマに含まれるリグナンなのでゴマリグナンといいます。

「リグナン」とは、植物の根や茎、種などに含まれるポリフェノールの一種で抗酸化作用が強い成分で、活性酸素の発生を抑制したり、コレステロール値を下げたりして、動脈硬化の予防や、細胞の老化を防ぐなど、種類によってさまざまな働きがあります。

ゴマリグナンは、「セサミン」をはじめ、「セサモリン」、「セサミノール」、「セサミノール配糖体」などセサミンに類似するいくつかの成分で構成されています。それぞれの成分の特徴を理解することで、より高い効果が得られるのです。

ゴマリグナンの大黒柱“セサミン”の特徴と働き

ゴマリグナンを構成する成分のうち、およそ半分を占めるのが「セサミン」です。セサミンは、そのままでは抗酸化作用はほとんどありませんが、体内に吸収され、肝臓のβ-グルコシターゼという酵素によって変化することで、強い抗酸化力が生まれます。

細胞の酸化を防いだり、活性酸素の発生を抑制したりすることで、アンチエイジングや肝機能の改善、動脈硬化の予防などの効果が確認されています。さらに、がんの発生を予防する効果もあると期待されています。

また、体に有害な活性酸素は主に肝臓で発生しますが、一般的な抗酸化成分は体内に入るとすぐに消費されるため、肝臓まで届かないこともあります。

しかし、セサミンは肝臓に入ってから抗酸化作用を発揮するので、肝臓で作られる活性酸素に対する除去効果が優れています。そのため、活性酸素を根元(発生源)から除去できる強みを持っています。

煎りゴマやごま油から摂るのが効果的!“セサモリン”の働き

ゴマリグナンのうち、セサミンに次いで多い成分が「セサモリン」です。セサモリンもそのままでは抗酸化作用はなく、ゴマを焙煎する過程で「セサモール」という成分に変化し、強い抗酸化作用を持つようになります。

そのため、セサモリンの効果を発揮させるには、熱を加える必要があり、サプリメントとして加工するには手間がかかるためか、セサモリンを含むサプリメントや健康食品は、ほとんど見かけません。

むしろ、食品のゴマを煎るなどして、食材にふりかけたり、スパイスとして使ったほうが、香りや味わいも良く、使い方としては適しているといえます。

ゴマの香りの中にも、ピラジン類という血液をサラサラにする成分が含まれていますので、香りを楽しむとともに健康への効果も得られます。

ごま油の茶色い色は、ゴマを煎った時の色で、セサミノールが豊富に含まれる証拠でもあるのです。

腸の健康を守る効果も!ごま油に豊富に含まれる“セサミノール”の働き

セサミノールはゴマに含まれるリグナン類の中でもごくわずかしか存在しません。しかし、セサミノールの多くはごま油を作る過程で、先述したセサモリンが変化して生成されるため、この分を含めるとゴマに含まれるビタミンEの5倍もの量に相当します。

セサミノールにも強い抗酸化作用があるため、セサミノールの効果を最大限に引き出すためには、ごま油から摂ることが最適といえます。

また、ゴマには「セサミノール配糖体」というセサミノールに糖が結合した成分も含まれています。セサミノール配糖体は、他のゴマリグナンとは異なり水溶性のため、腸内の酵素によってセサミノールに変化し、抗酸化作用を発揮します。

そのため、他のゴマリグナンが主に肝臓で働くのに対し、セサミノール配糖体から作られるセサミノールは、腸内の活性酸素を抑制する働きが強く、整腸作用など腸を健康にする効果が期待できます。

このように、ゴマリグナンにはさまざまな性質や働き方があり、それぞれの特徴を活かした摂り方の工夫も必要です。

サプリメントとしてよく見かけるセサミンだけでなく、煎りゴマやごま油など、天然素材のゴマに含まれる多様なゴマリグナンの働きにも注目してみましょう。

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